母校での講義をさせて頂いて

 ここ5年ほど、母校である関西福祉科学大学で毎年一コマ講義をさせて頂いています。“福祉コミュニケーション論”という講義なのですが、“自閉症の方とコミュニケーションをとる上で配慮した方がいいこと”を、施設での実践を踏まえながらお話する・・・ということをさせて頂いています。

 動画なども交えてお話をさせて頂くのですが、小池自身が考えた支援は一つもありません(笑)。これまでのなにわの里スタッフが考え、議論し、利用者さんが「これでいいんかな」と試行錯誤しながら覚えはった支援をお伝えしています。

 講義の前にはご家族に「○○さんの支援について、お話をさせて頂きたいのですが、構いませんか?」と確認をさせて頂いています。ご家族から「お伝えすることで、少しでも皆さんのお役に立てるのなら・・・」という温かいお言葉を頂くのですが、そのお言葉を読むたびに「自分だけではない、スタッフ、利用者さん、ご家族、全員を代表して伝えしに行くのだ」と心が引き締まる思いです。

 そして、なにわの里の実践だけではなく、小池自身がパニック障害を患って感じたこと・体験したことなどについてもお話をさせて頂いています。今回は、市役所で自立支援医療の申請をした際に、しんどい思いをしたことについてお話をさせて頂きました。なにわの里の利用者さんやご家族が感じてきた思いと比べれば、本当に些細でちっぽけなことなのですが、自身で体験しないとわからないものがある、という思いも込めてお伝えさせて頂きました。

 この講義にはレポート提出がありまして、この時期に添削もさせて頂くことになっています。皆さん、講義の資料/書籍/インターネットでの情報などいろいろ調べて書いてくださるのですが、自身の体験なども含めて書いて下さる方もいます。つたない講義であっただろうにも関わらず、思いを込めて書いて下さることに本当に感謝です。

 この先、続けさせて頂けるならできる限りで続けさせて頂きたい、伝え続けることで何かを感じ取ってくれる方が一人でも増えれば、こんなにうれしいことはありません。(小池)

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