技に溺れるべからず

 2月21日(金)はオープンセミナー“事例発表会”であります。今、この原稿を書いているのは2月18日なのですが、今、発表者たちは気が気でない毎日を送っております(笑)。

 小池も一度この場に立たせて頂いたことがありました(写真は当時の自分であります)。ちょうど今から10年ほど前のことで、28・29歳くらいだったと思います。現場の事も分かり始めてきて、「根拠のない自信」とでも言うのでしょうか、そんなものに溢れていた時期でもありました(お恥ずかしい・・・)。

 発表を終え、「よっしゃ、どうだ!」くらいの気持ちでいました(お恥ずかしい・・・)。質疑応答の時間になったのですが特に手が挙がらず、ある支援者の方にご感想を伺う・・・ということになりました。その方が開口一番仰ったのは、「技に溺れているな・・・という印象でした」という言葉でした。

 そのときは、その言葉の意味が十分に理解できていませんでした。いくつかの支援を盛り込んだ事例だったので、「もっとシンプルにやった方がいいよ」くらいのご指摘なのだろうか・・・と思っていたのですが、今になって考えるとその方は「そんなもん、お前のやりたいことやっただけやんけ」ということをマイルドに指摘してくださったのだな・・・と理解することができます。

 当時の自分なりにその方の困りごとを捉え、その解決策を考えたつもりでした。が、その方やご家族のペースにあっていなかったのは、今考えると明らかで、ご本人・ご家族はもっとゆっくりしたペースを望んでおられたのではないか・・・と顔を覆いたくなるような恥ずかしい気持ちになります。

 知的障害のある方々は変化が苦手・・・などと言っておきながら、一方でご家族が戸惑うようなペースの支援をしてしまったことを大変申し訳なく感じます。当時は気づけなかったこと、今は理解できること、そんなことを少しでも後進に伝えていけたら・・・と思っています。(小池)

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