他法人様の事例発表会で思ったこと

 2月21日のなにわの里事例発表会は新型コロナウィルスの影響で中止とさせていただきました。本来その感想をこのFacebook上で発信しようと思っていたのですが、それが叶わないため、感染症の影響が出る前に小池が参加させていただいた他法人様の実践報告会で感じたことを書かせていただこうと思います。

 その実践報告会は、前半2時間が基調講演、お昼休みをはさんで後半2時間が実践報告という構成でした。なぜ前半の2時間で講演があるのだろう?と少し不思議に思っていたのですが、基調講演で「その法人様が大切にしている理念や価値」について、障害者福祉の制度や考え方の変遷を押さえながら発信していく、ということをされていました。その話には相模原の事件のことも含まれていました(このことについては次回で触れさせていただこうと思います)。
 
 そしてそれを踏まえたうえで、各現場の実践報告がされていました。すごいなと思いました。実践報告や事例発表はどうしてもテクニカルな話に陥りがちだと感じています(10年前の誰かがそうだったように😩)。「どんな考え方や哲学に基づいてその支援がなされたか」というバックグラウンドを法人スタッフだけでなく聴く側も共有することで、上っ面でない分厚い話がその会場で生まれていました。

 なによりすごいと思ったのは、実践報告をした現場スタッフの方お一人お一人が、「その支援をして、自分の考えがどう変わったか」「何を考えたか」ということを発表していたことでした。現場を離れて感じるのは、「支援スタッフにとって技術や知識よりも“哲学”が大切なのではないか」ということです。もちろん技術・知識も大切ですが、“自身で悩んで見つけた哲学”という根っこのない支援は、利用者さんのみならず、いつかスタッフ自身を苦しめることになるのではないか、と感じるのです。なんのためにこの支援をしているのか、自分はどこに向かおうとしているのか、それを見失うことにつながるのではないかと感じます。

 そうならないために、その法人様は上記のような取り組みをしているのではないか、と思いました。その支援をしたことで自身が感じたこと/変わったことをまずチームで共有する、ということをされているそうです。それらをお互いに尊重しあいながら、この実践報告会の場で言葉にして外部の方に伝える、というプロセスを経ることで、現場スタッフお一人お一人の哲学が積み上げられていくのではないか、と感じました。

 この実践報告会を開催するまで、ものすごい準備をされたのだろうなぁ・・・と感じました。どの法人様も、利用者さんに「その方らしい生活」を送っていただきたいと思い、様々な取り組みをされておられます。もちろんなにわの里もその一つです。ただ、なにわの里も含め今まで小池が見てきた取り組みは、どうしても目先の効果や数字に囚われてしまい、根っこのところに届いていないものが多かったように思います(すべてではありません)。どうしたらいいんだろうなぁ。。。と悩む中、今回素晴らしい取り組みに出会うことができました。それを実践していくのは並大抵のことではありませんが、今回学んだことを少しでも、なにわの里、また障碍者福祉の現場に還元していけたらと思っています。(小池)

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